2016
2015年の収穫を終え、秋、冬、春の気候は全般的に温暖で雨が多く、天候サイクルとしては少々型を逸するものでしたが、それでも順調に芽吹きは始まり、春先には豊作も期待できる余地がありました。
4月26日の夜、俄かに雨が降った後、あと数日で5月というこの時期にしては明らかに寒すぎる《零下》を記録した夜が明け、数時間ふりそそいだ明るい朝日が、過酷にも3分の2以上の芽を焼いてしまったのです。凍ったブドウ樹の芽に直接差した陽光は、ルーぺの光の集約と同じ結果を招いたのです。ブルゴーニュのブドウ畑はこの日の朝、史上に刻まれる深刻な春の遅霜の害を被りました。
ブドウ樹というものは、信じられないほどのバイタリティを持つものです。霜害の数週間後、凄まじい生命の吹き返しがおこり、枝や葉が幹のあちこちから伸び始めました。当然のことながら、後から吹き出したこの二番目の枝にブドウが成ることは殆どありません。2016年の収穫は見込めないことが判っていながら、ブドウは生き続けようとして、来年の収穫のために希望を見せているのです。私たちヴィニュロンはこうして例年と同じように、ブドウ樹の世話をし続けていくのです。
5月、栽培シーズンはまだ始まったばかり。そのうえその後も沢山の複雑な問題をかかえることになりました。太陽が足りない。3ヶ月もほぼ不断に雨が降り続け、370mmもの雨量がそのまま大地に蓄積されていく。湿度を好むベト病が発生して猛威を振るい、長い間畑に定着しました。それに立ち向かうべく土壌に働きかけ、薬剤を散布し、畑ごとにもたらした思考錯誤の緻密な世話は、難儀こそあれ、思うように効果が現れませんでした。
それぞれの樹が受けた霜害の重症度によって、ブドウ樹の成長進度は個々に異なりました。開花にもばらつきがあり、6月10日から27日にかけて、約15日間に渡って順繰りに花が咲いていきました。
今年の収穫はほとんど見込めないことが、栽培シーズン初期から明らかである…しかし如何なる事があっても、20年もの月日を積み重ねたドメーヌのビオディナミによる栽培を、ここで諦めてしまう訳にはいかないのです。
6月末からやっと天候が良くなり、7月、8月、9月初旬まで安定した晴天が続きました。9月14日の少量の雨が葉に水分を取り戻させ、ブドウの実に糖を蓄えさせました。
9月22日、美しい太陽のもと、収穫を開始しました。収量はといえば、ドメーヌ開設以来、最も少ない年の仲間入りとなりました。
それでも心底嬉しかったのは、マストがとにかく素晴らしいということ。大部分の収穫をすでに失ってしまったことが分かっていても、シーズン中ずっと貫き通した私たちの努力、栽培条件が極度に厳しかったにも関わらず意志を曲げなかったことが、結果としてブドウの最高の品質を守ったのです。
2015
暮れゆく2014年は、10~11月にかけては豊かな雨、12月は乾燥していたと言えましょう。全般的におだやかな暖冬がつづき、降雪量はたったの3センチ。クリスマス前後に1週間ほど気温が落ち込んで寒気が観測された以外は、比較的平穏な気候で一年を閉じました。
そして翌2015年、栽培期に降雨量が極端に少なかった一年の幕開け。
1~8月まで、言うなれば9月の収穫が終わるまで、雨が殆ど降らなかった年です。
中でも3月と7月の雨量の少なさは記録的なものでした。実のところ、私たちが収穫を終えてからようやくサラサラと雨が降り続き、それまで乾燥状態を保ちつづけた大地にたっぷりと水が補給されていったのでした。
2015年も新たな早熟の年。
とはいえ、3月はじめの2週間、夜の冷気が成長進度を緩めてくれたので、2014年ほどの眩い速さに為らず、4月頭の段階では平年並み、14年と比べるなら14日ほど成長サイクルが遅れていました。
しかし、同月4、5日あたりから夏のように気温が上昇し、豊かな太陽に照らされたブドウ樹たちは一斉にテンポを高めました。
ヴィニュロンたちはそんなブドウ樹たちに足並みをそろえるように、活気よくブドウ栽培を展開していきました。
5月初頭、この段階にとくに好ましい恵みの雨が3日間にわたって降り続け、ブドウ樹たちはすくすくと成長し続けました。とくに若い樹は乾燥に苦しみやすいため、この時期の雨は効能を発揮します。
6月半ば、またもやタイミングよく程よい雨に恵まれ、結果としてその後に迎えた暑く乾燥した長い夏を体制よく乗り切ることができました。
6月1~6日、開花。
ブルゴーニュのブドウのどの品種をとってみても、光の矢のように眩い開花。どの畑もほんの数日で全うされ、開花は一斉に走り去りました。
こういった瞬時的開花は、畑全体で均一にブドウが実ることを意味しています。それは後に楽に収穫できること、簡単に醸造できることにも繋がってくるので、とても喜ばしい徴候です。この経過を見て、今年の収穫は平年よりも早まるだろうと予測しました。
2015年はあらゆる病害が少なかった年でもあります。中でもベト病はまったく見られませんでした。
過度の乾燥から、ブドウの色づきが思うように進まない現象が見られましたが、ブドウはしっかりとその実を熟すまで、自らの健康を保ち続けてくれました。
過去15年間に何度か経験したように、今年もまた開花から100日数えずともブドウは成熟に達するでしょう。
暑く乾燥した気候によってブドウ内のリンゴ酸含有量は落下しましたが、幸いにも果汁は良好なバランスを保ち、レモン酸の値は理想的なものでした。
収穫は9月3~9日に行いました。燦々と降りそそぐ陽光、乾いた空気、暑すぎない理想的な気温。そんな夢のような環境のもと、美しいブドウを次々と収容する喜びと言ったら!
収量はもちろん、過去最近の3年間を上回っていました。とはいえ大豊作というわけにもいかず、とくに昨年雹害を受けたピノ・ノワールとシャルドネの区画は、本来見込める量を遥かに下回っていました。
手にしたブドウは品質にバラつきがなく、これ以上無いほどの素晴らしさ。この健全で美しいブドウは、簡単で順調なワイン造りを保証してくれる、私たちにとって心から嬉しい優等生です!
2014
2013年~2014年にかけての秋冬は雨量も多く、ブルゴーニュの大地に十分な水が蓄えられました。3月からは打って変わって乾いた気候となり、夏を思わせるほどの清々しい天候のもと、ブドウ樹は新たに成長サイクルを開始しました。
開花は次々と早い段階で始まり、5月22日にはテール・ブランシュやペリエールなどのシャルドネの区画で最初の実が見られ、ピノも26日には結実し始めました。
6月6日、ユリの花が満開になり、慣例ではこの頃から100日後が収穫期に当たるはずで、今年もまた早熟な年になるだろうことを予期しました。オモチャの鉄砲玉のように小さな青い粒は、数日でグリンピース大の大きさになり、ブドウ樹たちは秋の収穫に向けて着々と果実を膨らませていたのです。
2014年6月28日(土)17時02分、衝撃が走りました。
たったの3分30秒という瞬間的な出来事でしたが、旋風をともなう烈しい雷雨と雹が、丘陵の畑に猛威を振るっていったのです。
私たちのドメーヌの殆どの区画が、このときの雹で大打撃を受けました。駆けつけて最初に目に入った光景は、どの区画も無残としか言いようがありませんでした。引き契られ、地面に叩きつけられた葉の断片が一面に土を覆い、数分前には前途洋々の風采をみせていた若いブドウの果皮は哀れにも引き裂かれ、母樹からもぎ取られて地面に打ち付けられているものもありました。枝も割れて傷ついているものがあり、根こそぎ倒れている幹さえ見受けられました。これほどにも傍若無人な、悲しいことがあるでしょうか…!
翌日の早朝、ブドウ樹のストレスを和らげるため、ビオディナミで準備した薬草液を散布して歩きました。傷口が塞がれ、少しでも早く成長を再開してくれるように、一列一列撒いていくのです。それでも、今まで施してきたパリサージュは全てやり直さなければなりませんでした。痛手を負って壊れやすくなっている枝を相手に、再び鉄線に沿わせ、くくりつける作業は、骨の折れる、難儀な仕事となりました。
こうして、あの素晴らしい春の後に悪天候の夏がとってかわり、8月中旬まで時どき雨や雷雨をともなう冷涼な気候がつづきました。
幸いにも8月15日以降、高気圧とともに日差しと暑さが戻り、樹に残った僅かなブドウは、好条件で熟していきました。
私たちは収穫を9月13日の好天で始めました。収穫もほとんど終わりかけた19日の最後の数時間だけは長靴とレインコートが必要になりましたが、それまではずっと日差しに恵まれ、乾いた天候のもとブドウを摘むことができました。
特に重度に雹害を受けた区画はあらためて言うまでもなく、収穫したブドウは全般的に綿密な選果が必要でした。それでも私たちのブドウ樹はあの惨事の後も凜と健気に成長を続けたようで、ブドウの熟度にはバラツキがなく一定していたことに安堵しました。
必然として収量は畑によってまちまちでした。雹害から逃れることのできた二つのアペラシオン(ブルゴーニュ・アリゴテとバタール・モンラッシェ)は平年並みの収量に納まり、最も深刻に雹害を受けた畑としては、ピノ・ノワールならポマール・グラン・ゼプノ、ヴォルネイ・サントノ、ムルソー・レ・デュロで10~13hl/ha、シャルドネでは、ムルソー・レ・テール・ブランシュ11hl/ha、ムルソー・レ・テッソン18hl/haという結果になりました。
第一段階のマストは、どのキュヴェをとってみても分析、テイスティング両面でとても満足のいくものでした。発酵は一定していて比較的進度が速く、新酒は香り高く生き生きとしていて、まるく飲みやすい印象がありました。バランスがとれ、チャーミングな表情から、現段階での予測ではそれほど待たなくても飲み始められるような、早咲きのヴィンテージになるのではないかと見込んでおります。ご期待あれ!
2013
畑作業に苦労した2012年を乗り切ったばかりで、今年こそは穏かに一年が過ぎてほしいと誰もが願う翌年、その思いとは裏腹に、2013年はヴィニュロンたちにとって又もや厄介な年となりました。
2月、3月はわりと乾燥していましたが、4月になると長雨にたたられ、土壌に蓄積する水嵩は増えるばかり。
ブドウ樹は多湿に耐えにくい植物なので、ヴィニュロンたちは病気のリスクを懸念し、手段を打とうと畑に出ますが直ぐに難関にぶち当たります。
• 土が水気を多く含みすぎて耕作や農薬散布ができない。
• 結果、手作業が増えて疲労が重なる。
遅ればせにやっと春が到来しても天気は一向に悪く、開花期はパッとしないまま過ぎていきました。
ミルランダージュが多く見られ、結実せずに落ちてしまう花もありました。
6月の時点で誰もが、今年の収穫量が平均年より少なくなるだろう事を予測し、開花の遅れから収穫日はここ数年来よりずっと遅くなるだろうと思いました。
7月になってやっと太陽が出て日射を注ぎましたが、屡訪れた雷雨によって雨量は依然として多く(約150mm)、特に7月23日に襲った雷雨は前代未聞の烈しいもので、コート・ド・ボーヌ北部(ペルナンからムルソーにかけて)酷い雹の打撃を受けました。
8月の一ヶ月間は穏かな日射の恵み。もう少し長く日射を与えてブドウの成熟を促進させたいというヴィニュロンの思いもままならず、9月は好天と雨天とが数日置きにやってくるという交互の天候に落ち着きました。このような状況下、収穫は10月1日にシャルドネから開始しました。
蔵におさめた初期熟成段階の2013年のワインは、強くも弱くもなく中庸の骨格を呈し、そこには非常に良いバランスが認められます。力強いというよりは、繊細でエレガントなワインの徴候。この年の天候の難易度を思えば、ワインの出来は上々であったと、安堵にも似た満足感を抱いています…。
2012
2011年は12月の多雨で一年の幕を閉じ、年明け3ヶ月間は比較的乾燥した気候になりました。2月は10日間ほど気温が落ち込み一時期とても寒くなりました。
3月になるとまるで夏が到来したかのような暑さ。ブドウ樹に燦々と日が降りそそぎ、非常に早い時期から芽が吹き始めました。2011年の記録を上回るかのごとく早熟の年を思わせる早い成長サイクルのスタート。
ところが4月初旬になると天候が崩れて一揆に気温が下がり、とくに雨が多くなって延々と8月までその現象が続いたため、畑ではあらゆる問題が発生…。
ブドウ樹の成長に歯止めがかかり、せっかく伸びた新梢が脆くなってベト病にかかりやすくなりました。
開花期は数週間に渡り、花振るいやミルランダージュが多く見られ、結実の具合に多少なりとも落胆を覚えたのでした。この時すでに今年の収穫減の検討がついていました。
しかし、心配事はそれだけでは終わりませんでした。
7月の数日間にわたって突然猛暑が襲い、ブドウを焦がしてしまったのです(写真参照)。
そのうえ一番大きな打撃は6月30日と8月1日の雷雨に伴った雹で、所有畑全体が害を受け、場所によっては深刻な状況に追い込まれました。
このような天候不順と寄生菌系の病気に、ヴィニュロンたちは日々振り回され、休む間もなく畑仕事に精を出さねばなりませんでした。これほど難儀で不安材料の多い中、ただただブドウを護る一心で労働を強いられた年は他にあったでしょうか…。思い起こしてみても2012年に勝る年は非常に稀に思えるのでした。
それでも運は見放さず、2回目の雹害の数日後から天候が穏かになり、8月一杯天気に恵まれて、ブドウは好条件で成熟段階に入ることができました。
結果的に収穫日は平均的日取りとなり、私たちは9月20日に開始。(3月に先行した早期萌芽による成長サイクルは、夏の混乱した天候によって遅れ、結局は標準の収穫日におさまったのでした。)
難を乗り越え労力を要したシーズンの結果は、ほんの少しの収穫となりました。(過去50年で最少の収穫量でした!)
しかしドメーヌ・ピエール・モレの40年間、メゾン・モレ=ブランの20年間の歴史に刻印されるべき抜群の品質のヴィンテージを手に入れることができ、一連の努力は報われたと考えています。
2011
早期成長サイクルの新記録
2011年は、様々な点で「記録」を突破した年です。
- 芽吹きのタイミング:4月初旬から。
- 開花のタイミング:5月9日に最初の花が咲き、希代の早期開花に。
- ベト病が全く存在しない(葉の表面にその前兆さえ見られない)。ウドンコ病は7月までありませんでしたが、その頃になると天気も崩れがちになり収穫日も近づいて、敏感なゾーンでは病気の兆候が認められるようになりました。
- 早期収穫:モレ家史上初、8月収穫開始!
2011年の春は日差しが豊かで乾燥していて暑く、まるで数週間飛び越えて夏が到来したかのようでした。燦々と照る太陽のもとブドウ樹は急速に成長し、例年よりずっと早く開花期に突入。開花期終盤になってもブドウ樹は健全な状態を保持。5月25日頃には結実が進み、状態はおおかたパーフェクト。その様子から収穫は8月末以前になるだろうと予測しました。
6月に入ると天気は崩れがちになり、何度か雷雨もありましたが、一向に高い気温が続きました。(6月25~26日の週末、とくにピノノワールに、強い日差しと暑さによってブドウが火傷を負う現象が認められました。)
7月になると一転してずっと涼しくなり、雨が沢山降りました。(ムルソーで134mm。ピュリニーでは雹が降り、ルーリーやメルキュレイでは深刻な雹害を受けました。)
真夏の気候になりきらない方が、ブドウに理想的な成熟が見込めます。8月はちょうど良い気温が続き、ブドウ樹に損傷をもたらさない程度の雷雨があったり、日差しと暑さが戻ったりで、雨と日射が入れ替わり立ち替わり訪れるような状況でした。
2011年の天候の特徴は、晴天と雨天、寒暑が数日ごとに交互に訪れたことです。人間にとってはこのような天候は耐えがたいこともあるものの、ブドウ樹はむしろ良い健康状態を保ち続けてくれました。ビオディナミで的確に手入れをした効果の現われとも言えるでしょう。
2010
2009年10月は乾いた季候で平年並みの気温がつづき、11月になってもいつもどおりの雨量で穏かな秋が過ぎていきました。
12月中旬になると肌を差すような極寒が到来し、20日の夜から翌日にかけて零下20度に達したほどでした。この寒さで致命傷を受けたブドウ樹もかなり認められました。
新年が明けてもこの寒さは延々とつづき、1月中は比較的乾燥していたものの、2~3月にかけて記憶に残る5回の大雪のほか、雨や霙も降りました。
その影響でブドウ樹の萌芽は遅れ、4月第3週になってやっと最初の新葉が恢宏。月末に待望の暑さが訪れ、ブドウ樹は急速に伸び、春の霜害の恐れもなく成長の遅れを刻々と挽回していきました。
5月になると何度か多量の雷雨に見舞われ、ブドウ樹に損傷は無かったものの気温は安定せず、成長サイクルは例年と比べて一向に遅れた状態でした。
6月5日、初期の開花を観取。15日ごろに開花中期を迎え、21~22日過ぎにはあちこちの畑で開花期が終了していきました。この間二度にわたって多雨に見舞われ天候が変わりやすかった為、花の結実は難航の前兆…。「その年の収量は6月に決まる」とう言い伝えは、残念ながら収穫時に現実となって証明されるでしょう。特に早咲きのゾーン、つまり有名なアペラシオンの畑に花振るいが多く見られました。
7月上旬は夏らしく暑い天気の到来。花振るいや結実不良による収穫減は畑作業で観察するかぎり瞭然たる事実となり、新設のセラーは一杯にならないだろうと思いました。
月末に一度雷雨に遭い、降雨量も増え、8月には雷雨は無かったものの天候はあまり安定しませんでした。
「太陽」の好条件で始まった9月。月あけ7日に初めて雨が降り、記録した雨量は26mm。ブドウが熟すこの時期としては多い数値でした。続いて12日にサントネ村に雷雨があり、コート・ド・ボーヌ南方のシャルドネの成熟進度に大きな狂いが生じました。ムルソー村では僅か3mmの降雨量に留まりましたが、ブドウは日に日に変わっていき、最良の果汁が滴り落ちて土に滲みこんでいくのを目の当たりにしながら収穫日を早める必要性に迫られていったのです。
そのような状況下、収穫は9月18日にシャルドネの畑から開始(9月26日完了)。好天に恵まれ、実ったブドウを殆ど失うことなく、糖と酸のバランスが素晴らしい熟度に達したブドウの果汁で醸造することが叶いました。
新設の醸造施設では以前より明るい光で選果できるため、綿密さが求められる選果の作業も快適に進めることができました。
ピノノワール用に設置した新品の機材やタンクによって仕込みも上々。
新搭載のシステムで選果されたブドウが重力のみの作用でタンクや圧搾機に運ばれるようになったため、総体的に見て今まで以上に厳格に品質を保護することができたと言えるでしょう。
2009
The first frosts arrived in early autumn (November 20th).
December was cool and dry, and January much cooler (-10°C between the 10th and 12th of January).
Freezing mornings persisted until the beginning of March, when days became sunnier and afternoon temperatures warmer.
In any case, cool weather lasted all winter ( a real good cool winter, at last !) and there was not too much dampness.
Spring was dry and temperatures were high enough to prevent from frost risks.
Budbreak occured early in April.
During March, vine growth increased quickly, with dry and warm weather.
Flowering began May 22, announcing an early harvest.
2009 was the return of the grape-worm we hadn’t seen since 2003, but damages were not significant.
Many stormy rains arrived in June and July, maintaining mildew and oidium pressure at an undesirable level.
August was very hot and sunny, so ripening was regular.
Since spring, some vines began to be ploughed by Luciole, Amelie’s horse.
Harvest took place between September 7-13.
Thanks to reasonable yields, the grapes were beautiful, bathed in sunlight, and well balanced because of excellent phenolic maturity.
The new wines are pleasantly aromatic, in both white and red.
2008
After a calm winter, the first two weeks of March were cool but dry, and we ended pruning at this time.
From April 8th to 30th it rained often, and ploughing was not easy.
The first three weeks of May were magnificent and the vines grew quickly. From May 20th to June 17th, many stormy showers interfered with the treatments against vine diseases during the more sensitive period (fast growth, and risky weather for mildew).
Luckily, dry weather returned from June 18th to July 2nd to restore a well balanced growth, and finish flowering in good conditions.
Nevertheless, one month of flowering often signifies a big percentage of ‘millerandage’ (partial crop failure resulting in mixed size berries), more on Chardonnay than Pinot Noir which began flowering later but ended earlier.
With a stormy summer (July 2-12, July26-August 2)July 26, a big hailstorm in Meursault and Volnay damaged much of our regional and village appellation parcels.
During August, ‘veraison’ (color-changing of the berries) was slow because it was a cool summer.
After a rainy early September, wind turned at last to the north, blowing the clouds.
Dry weather and brightness lasted three weeks : exactly what the grapes needed to mature in good conditions. Good weather arrived just in time !!!
We decided to wait a few more days before harvesting to achieve better sugar/acidity balance. (September 25)
After a quite difficult year in the vineyard, a careful sorting was necessary but the important elements were there : harvest took place under a beautiful sunny, fresh weather.
What a good surprise after pressing : the natural degrees of alcohol (that we worried would be low) were actually very good, even if acidity was very high.
This is probably thanks to low yields : the wind helped grape-ripening, concentrating the berries due to the loss in juice.
One thing is sure : the proverb “September makes quality of grapes” is really true in 2008 !
2007
Precocious and surprising year…
In 2007 budding begins in a rather precocious manner and is extremely fast.
The month of April is dry, very warm and sunny and the vineyards begin pushing at record speed (up to three weeks ahead if compared to other years known to be early). There was a short period of time during which it took the vineyard workers long days of intensive hard work to keep up with the explosion of the vegetation.
Flowering also begins early and proceeds particularly well. The grapes are beautiful and develop well, promising a harvest around the end of August.
Beginning June 8, and for the rest of that month, a stormy period brings anxiety to the vignerons. Then in July an August the weather remains rather humid and sometimes unseasonably cold. With the prevailing weather conditions, the harvest, which we initially thought it was going to be at the end of August, slowly moves towards September.
Harvest took place from September 1 to September 7 under magnificently sunny skies. The mebers of the picking team were particularly pleasant and efficient.
The general health of the white grapes was very good and the levels of maturity very satisfactory.
For the reds, it was necessary to sort the grapes both at the vineyards and at the cellars to get rid of the fruit hat had been damaged by the inclement autumnal weather. At the end, the fruit that went into the vats was good looking and from the beginning of the fermentation began releasing fruity aromas thanks to the fully matured berries.
First tastings after fermentation finished are rather promising…
The 2007 vintage wines will need a long period of maturation. In fact, malo-lactic fermentations are giving the wines, which until now are quite lively thanks to their acidity, considerable roundness and that is good for the wine. Maturation on fine lees should therefore proceed calmly in order to allow the wines to mellow and quietly approach the balance and harmony we so look forward to.
2006
The winter of 2005-2006 arrived early, was very cold ans lasted a long time.
The first frosts of the year arrived mid-November, and with the exception of a few days in the beginnings of December and the middle of February, lasted until the middle of March.
It was so cold, the thermometer on December 30th dipped below minus 15 degrees Celsius (5°F). There were frequent, although not very abundant, snowfalls that barely covered the ground.
It was also quite a dry winter. In March there was some rainfall, followed by a mild April. May brought storms, which increased the threat of mildew.
After such a cool and dismal spring, the vines began to flower on June 8th. From then on, a lovely period of summery weather stayed until July 31th. Thankfully, these conditions allowed flowering to finish at record speed and the fruit to set early. The grapes also grew fast, with the clusters developing nicely by July 12th in all of the vineyards parcels.
In August, the weather again turned wet and cold.
September was wonderful, with enough sunlight and luminosity to justify its reputation as a quality-maker month. The weather remained dry, with beautiful days and good temperatures that allowed an excellent period for the grapes to mature.
The ideal weather stabilized the botrytis that had begun to develop in August. Harvest was carried out from the 20th to the 27th.
The Chardonnay grapes ripened beautiffuly and to ensure they did not become overripe they were carefully monitored to ensure an ideal harvest.The Pinot Noir grapes, which are always sensitive to botrytis, required a severe sorting, which preserved the quality of the yield, especially the finesse of the aromas and the balance of the taste.
2005
Equilibre…
Following a very rainy April, the month of May begins with very hot weather, and the vines grow very quickly.
From the middle of May to the end of September, the weather is always dry but we have spells of cold to warm temperatures.
Flowering starts early but a period of cool weather causes coulure (flower loss), and millerandage (decreased yields, and sugar concentration in berries).
Pinot Noir, usually a late variety, has the advantage of a good flowering period and produces vigorous grapes. We had to be careful with de-budding and green-harvest to limit yields.
Outside a little oïdium (powdery mildew) attack, everything is well in the vineyards.
A hailstorm on July 17th devastated the Santenay vineyards, and caused damage in only a few Bâtard-Montrachet vines. Fortunately, the good weather that followed allowed the vines to heal, and the grapes remain in excellent condition until harvest.
Grapes are nearly perfect : good quality, excellent ripeness, perfect sugar-acidity balance, and favourable weather during harvest.
Very pleasant aromas of fruit appear with the alcoholic fermentation.
Promising tasting in the horizon…
2004
After the unseasonable heat of the 2003 summer, the months of November and December were mild ; January was very humid and February the opposite in temperature (the vineyards “weeps” from the beginnings of the month). But the month of February was dry and very sunny (a record since 1945).
High spring temperatures towards mid March (22° to 24°) made us fear a second consecutive year of extremly warm temperatures but they returned to normal by the end of the month.
The vineyard activity started at the very beginning of April, but a period of fresh and humid days slowed the growth and we noticed a delay of several days from the normal rate of growth. Temperatures remained cool, especially at night, although without frost, until the beginning of May. Then, we had a period of warm weather that allowed growth to explode and made up for the slow growth at the beginning of the month.
First flowering was observed from June 8, full flowering was observed by June 13. Setting was very good and was the harbinger of a plentiful and precocious harvest.
July was cool, especially during the night, which promotes oïdium (vine-mildew), so Chardonnay producers began to worry as this varietal is especially susceptible to this disease.
Véraison began as normal by the end of July. The month of August had mainy rainy days, fortunately often light in quantity, and remained cool which allowed the vines to preserve their healthy condition.
September arrived with plenty of good weather that was sunny and fair and allowed the grapes to mature normally.
We waited until September 25 to begin harvesting the Pinot Noir, leaving some additional time for the Chardonnays to complete maturation.
The sugar levels were very good, the acidity finds more classic levels, nevertheless with a rather high level of malic acid.
A very strict sorting was carried out to make sure all fruit was removed that might have been damaged by the hail storm of August 23 on certain parcels of Pinot Noir or by oïdium in certain susceptible zones of Chardonnay.
This vintage will need a very long time to mature : malolactic fermentations are particulary late and taking a long time. The aromas of the 2004 wines need a great deal of patience to open up, these are “vins de garde”. Thoses who know how to wait will be rewarded.
2003
Never seen in all the 20th Century…
There is no comparison in the memory of winegrowers of a similar year !
Many factors in the vineyards contributed to a small harvest :
– Ice in the lower slopes on April 11,
– Hail with the storms of June 12 and July 20,
– The grapes with South exposure were burnt by intense sunlight between July 7 and August 28.
The harvest begins on September 1, 2003 after the heat wave for two reasons :
– Quality of the physiological maturity of the grapes,
– Quality of manpower, which was done under convenient temperatures, with the beginning of fermentation occuring under optimal conditions.
The harvest lasts only 6 days, in spite of the very rigorous sorting as soon as the fruit arrived to the winery in order to allow a very carefully vinification process : The fears that we had regarding the fragility of the fruit quickly dissipate during maturation, as the musts were already acquiring a natural solid character thanks to their exceptional concentration.
We did less stirring than usual with white wines but did the bottling after 18 months. Wines are strong, rich, unctuous and soft in the mouth.
Red wines, made from very ripe and colored grapes, are rich and powerful with very solky tannins.
It is interesting to find that these wines are already tasting well although because of their good structure and mineral qualities will allow a beautiful opening during in a couple of years.
2002
Fall and Winter presented themselves with early cold temperatures, sap levels went down early and pruning could be initiated under very good conditions.
Cold and dry weather allowed us to hill up the vines in November.
Bud break started very early in March.
The totality of the countryside is dry (less than 500mm of rain in 12 months), and all field work can be done under very good conditions. All cold-temperature-related diseases are pratically absent from the vineyard, which is extremely nice after three years dealing with mold and powdery mildew. Blooming is over early in the warm temperatures of the end of June and the grapes begin to develop very rapidly.
In the vineyard, everything goes well during the entire growing season, except a period between August 20th and September 10th with almost constant high humidity. In our region, however, the water levels that accumulated remained low and without consequences.
The northely winds arrive at just the right moment under a clear and luminous sky, allowing the grapes to reach maturity with a truly satisfactory level of health and a dream-like balance in the musts.
Harvest was from September 21 to 27, when the nights were cool, allowing us to harvest in the mornings at very agreeable temperatures. Thanks to the perfect natural balance of the grapes, the wine production and maturation goes on remarkably well both for reds and whites.
Bottling is scheduled between February and April 2004.
The 2002 is a vintage with excellent cellaring potential.
2001
Leaving a side the small frosts at the end of December 2000 and cold spell at the end of February 2001, the Fall and Winter are very mild.
March is rainy and with little sunlight. The field work is delayed until April.
The year was marked by strong shifts in temperature, rainfall and amounts of sunlight : all levels are very much above or below the normal numbers, even though the average for each month and every quarter show some sort of balance.
Within this difficult context, the vines manage to prepare for the harvest with serenity.
2000
Winter is mild except for some heavy frosts at the end of January.
Budburst occurs at the beginning of the spring, with usual temperatures for the season.
May is very hot (+6°C higher than normal season values), and vegetation growth is particularly quick, making vines sensitive to mildew.
Thanks to hot and dry weather, flowering takes place early in June under good conditions.
July is stormy and rainy (20 days of rain during the month), but fortunately, vines don’t suffer too much from this bad weather. A heat wave during the second week of August allows the fruit to ripen well.
During September, there are alternative periods of cold and warm temperatures, with several storms.
We harvest from 16 to 22 September.