自然に寄り添いながら …
ビオディナミは自然の法則に従った農法です。
ブドウ畑を生かす:
土を耕作したり必要に応じて堆肥を与える事で土中の微生物の活動が活発になり、ブドウ樹が対抗力を得て健康になります。健全なブドウ樹は自力であらゆる寄生虫や病害に耐えてくれるので、私たちヴィニュロンは自然の産物だけで作られた農薬を、的確なタイミングで極少量散布すれば済むのです。
果実の尊重
シーズン中つねに注意深く手を入れ育て上げたブドウ樹から、健康でよく熟れた果実を手摘み収穫。ブドウは醸造所へそっと運ばれ、畑の中に生息した野生酵母によってナチュレルに発酵が始まります。私たちのセラーはブルゴーニュの伝統的な丸天井の古いカーヴですので、発酵プロセスに好ましい環境と言えます。
ゆっくりと時間をかけることの素晴らしさ
ワインに個性豊かなブルゴーニュのテロワールを充分に表現させるためには、クリュやヴィンテージに応じて12~20ヶ月の長い熟成期間をとる必要があります。
熟成中オークの樽の中で、ワインは覚醒し、澱から栄養をとり、複雑性を増しながら進化していきます。そして最終的にフィネスとエレガンス、ピュアさとハーモニーとが完全にバランスのとれたキュヴェに仕上がります。その時こそが瓶詰めのタイミングなのです。
ワインが飲み頃に達するためには瓶詰め後も何年か寝かせる必要があります。
忍耐強く待っていただければ、大きく成長した最良の状態のワインを楽しんでいただくことができるでしょう。
白ワイン
手摘み収穫後、素早く醸造所に運び込み、選果をして軽く破砕し空圧式プレス機に注入。プレスは優しく規則的に圧力が加わるよう調節します。
プレス終了後果汁をタンクの中に移し替え12~24時間程度の軽いデブルバージュを行います。このとき酵母の栄養源となる美しい澱を残すよう配慮し、その後の発酵が全て自然酵母の力で進むようにします。外部の酵母は一切添加しません。
デブルバージュ後のマストはオークの樽に注入し、その中でアルコール発酵が始まります。発酵終了と同時に週に2~3度のバトナージュを開始します。通常クリスマスの頃まで続けますが、時にはマロラクティック発酵前までバトナージュを続けることもあります。
翌年の夏一度澱引きを行い、細かい澱のみ残してワインを移し変えます。
コラージュが必要な場合は注意深く清澄剤を選び、フィルターもヴィンテージによって要不要および適切な手段を都度判断しています。樽熟成期間もヴィンテージによって異なり、アリゴテなら12~16ヶ月、シャルドネなら16~20ヶ月。
赤ワイン
手摘みにて収穫後、必要があれば醸造所でも厳しい選果を実行。大概において100パーセント除梗し、軽く破砕後すぐにオークの仕込み桶に注入。酵母を添加することなく数日後には自然にアルコール発酵が始まります。軽いピジャージュとルモンタージュを行い、絶えず温度を管理。仕込み開始の温度は比較的低めに設定し、色やタンニンを十分抽出できるよう配慮しています。畑に由来する質の良い野生酵母の力でアルコール発酵は速やかに進み、終盤に入ると温度が上昇してきます。何日かキュヴェを高温のまま保ち、色味をワインに定着させた後タンクから引き出してオーク樽へ移します。
冬の間地下セラーは温度が低下するため、マロラクティック発酵はだいたい春の到来とともに始まります。約一年後、出来るだけ遅いタイミングで、極少量の亜硫酸を添加してワインを酸化から護りながら一度澱引きを実施します。
赤ワインの樽熟成期間はヴィンテージに応じて15~20ヶ月。
様々な樽で熟成を遂げたワインは夫々キュヴェごとにブレンドし、コラージュもフィルターも実行せずに、重力によってやさしく瓶詰めします。その後ワインは瓶中で新たな熟成を続けていきます…。